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国民年金保険料の事後納付を、2年から10年に延長 [社労士]

国民年金保険料の事後納付を、2年から10年に延長する方針とのニュースがありました。ニュースはこちらです。

保険料の事後納付、10年に延長=無・低年金者を救済-通常国会に法案・長妻厚労相

記事は、

〉 長妻昭厚生労働相は19日、無年金・低年金者の救済策として、国民年金の未納保険料をさかのぼって払うことができる事後納付の期間を現行の過去2年から10年に延長する方針を固めた。次期通常国会に国民年金法改正案を提出し、2011年度の施行を目指す。

〉 国民年金の受給資格を得るには25年以上の加入期間が必要。しかし、非正規労働者の増加といった社会構造の変化に加え、不況や年金不信などの影響で保険料を払わない人が増えており、65歳以上の無年金者は42万人に達する。今後、加入を続けても受給資格を得られない人を合わせると118万人に膨れ上がる見込み。

〉 現在、国民年金の保険料は、納付期限から2年以内であれば納めることができる。厚労相は無年金・低年金者を救済するため、この事後納付の期間を2年から10年に延長する方針だ。

〉 過去10年の未納保険料の事後納付を認めることで、新たに受給資格を得たり、40年加入が必要な満額(月額6万6000円)受給や受給額が上積みされたりするなどの恩恵を受ける人が出てくる。中でも今から保険料を払い続けても25年に届かず、将来の年金受給をあきらめていた現役世代の人にとっては大きなメリットがある。ただし、遡及(そきゅう)して納付する保険料には金利が加算される。

〉 民主党は無年金を解消するため、マニフェスト(政権公約)に月額7万円を最低保障する新たな年金制度の創設を盛り込んだ。厚労相は13年度の関連法案成立を目指している。

とあります。

保険料を払う国民の目線から見ると保険料の事後納付となりますが、保険料を受けるほうの目線から見ると保険料の徴収権のことになりますので、これは徴収権の時効が2年から10年になるということなのでしょうか。しかし、単純に時効を伸ばしたのでは払いたくない人からも徴収できることになってしまいますので、任意の決まりごとにするんでしょうね。

無年金・低年金者の救済は確かに必要ですが、事後納付期間を延ばしたとしても保険料を払う余裕のない人が救われるわけではありませんので、むしろ25年の加入要件を短縮するほうがよっぽど効果があるように思うのですが。

例えば、45歳までまったく保険料を払っていなかったとして45歳から60歳まで払っても加入期間は15年です。事後納付を10年分払えば合計25年間になり老齢基礎年金が支払われますが、払えない人の加入期間は15年のままですので老齢基礎年金は支払われません。これを加入要件を25年から15年以下に短縮すれば事後納付をしようとしまいと両者救済されることになりますがねえ。

と、ここまで書いてふと気付きましたが、別に事後納付を10年にしなくても現行の60歳から65歳の任意加入と65歳から70歳の任意加入をあわせると10年ですので、今でも45歳から保険料を払えれば老齢基礎年金は支払われる仕組みになっていますよ。(年金の支払われるのが70歳からになってしまいますが)

事後納付10年が導入されると、事後納付10年と任意加入10年をあわせると55歳から保険料を支払えば老齢基礎年金が支給可能になるのですね。いやはやなんともすごいことです。

この記事を最初に読んだときの感想は、「また、民主党お得意の弱者救済策かよ。」と思いましたが、こうしてブログを書きながら考えると、これって「今は余裕のあるかつてのキリギリス」は救えても、「今も昔も余裕のないアリンコ」は救われない救済策なんじゃないかと思い始めています。

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