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事後納付、任意加入はどうなのか? [社労士]

前回のブログで、国民年金の保険料をさかのぼって払う事後納付の期間が、2年から10年になるということについて書きました。事後納付、あるいは60歳から65歳までの任意加入をするともらえる年金の額は増えますが、はたして事後納付や任意加入は「お得?」なのかについて今日は書きます。

まず、国民年金には老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金の3種類の年金がありますが、保険料の納付期間によって年金額が増えるのは老齢基礎年金だけで、障害基礎年金、遺族基礎年金の年金額は定額ですので事後納付や任意加入はあまり関係がありません。

障害基礎年金、遺族基礎年金受けるためには、該当する月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付又は免除されていること、または該当する月の前々月までの1年間に保険料の未納がないことが必要となりますので、上記要件を満たしているならば事後納付や任意加入をする必要はありません。(実際には老齢、障害、遺族の3つの目的とする1つの年金ですので、障害、遺族年金に必要がなくても老齢年金にメリットがあるかないかということになりますが)

では、納付期間が伸びると年金額が増える老齢基礎年金にとっての事後納付や任意加入について考えてみます。

現在、20歳から60歳までの40年間の全期間に保険料を納付したときに支払われる老齢基礎年金は、満額の792,100円です。保険料の納付期間が30年間だった場合には、792,100円の30/40の594,075円の老齢基礎年金が支払われる仕組みになっています。

計算が苦手なのでざっくりと考えますと、40年間で80万円の年金ですので、1年間保険料を納付すると2万円の年金が支払われることとなります。国民年金の保険料は月に14,660円ですので、1年間では×12の175,920円の保険料です。175,920円の保険料を2万円の年金で割ると8.796で、9年で元が取れる計算になります。

老齢基礎年金の支給開始年齢は65歳からですので、74歳以降はもらい得になるということです。日本人の平均寿命は男性が約79歳、女性が約86歳ですので(65歳からの平均余命で見ると男女とももっと寿命は長いです)、男性はともかく、女性は払えるのならば払っておくほうがお得のように見えますね。

もっともこれはあくまでも数字上のはなしですし、個々の人の寿命は神様でもない限り分かるわけはありませんので、ご自身の健康状態などを十分に考慮した上で判断すべき問題です。もし、これを読んで事後納付をしたが74歳前に亡くなってしまったとしても責任は当然に取れませんよ。

私ならどうかといえば、短命家系の左利きですから元を取れる自信はありませんので、その立場になったとしても事後納付や任意加入はしないと思います。

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