2011年度の公的年金支給額は0.3%程度の引き下げへ [社労士]
2011年度の公的年金支給額をめぐって引き下げるのか、据え置くのかとバタバタしていましたが、結局引き下げる方針になったというニュースがありました。ニュースはこちらです。
年金額、首相指示通らず結局引き下げ…財源難
記事は、
〉 政府は20日、2011年度の公的年金支給額について、0・3%程度を引き下げる方針を決定した。
〉 国民年金の受給者で平均月約160円の減額となる。同年金で満額(10年度で月6万6008円)を受給している人は月約200円、年約2400円減る。夫が厚生年金に加入した標準的な夫婦2人の世帯では月約700円、年約8400円下がる。
〉 11年4、5月分の年金を受給する6月支給分から適用となる。引き下げは小泉政権の06年度以来、5年ぶりだ。
〉 仙谷官房長官と細川厚生労働相、玄葉国家戦略相、野田財務相が20日、首相官邸で協議して結論を出し、菅首相も了承した。
〉 年金支給額をめぐっては、細川氏が引き下げ方針を一度は表明したが、首相は14日、細川氏を首相官邸に呼び出し、据え置きを含めた検討を関係閣僚で行うように指示した。背景には、来春の統一地方選を控え、引き下げは高齢者の反発を招きかねないとして、政府・民主党内で警戒感が強まっていたことがある。
〉 しかし、据え置きを行うには新たに約300億円の財源を確保しなければならず、関連法案を「ねじれ国会」で成立させる必要もあることから、首相は最終的に実現は困難と判断した。
とあります。
据え置きにせず、引き下げをおこなうことは評価すべきでしょうが、その理由がいつもの財源不足と国会対策というところがなんともしまりのない話です。
そもそも据え置きたいという理由が来春の統一地方選で高齢者の票を失いたくないからというセコイ話ですからねえ、まったくあきれる他にはありませんよ。
まあ、最近の世論調査を見ると今さら民主党がなにかしたところで、もう手遅れのような気がしますが。
アンチ民主党の人にとっては「それ見たことか」という話でしょうが、自民党も以前に同じことをしていますよ(民主党は未遂でしたが、自民党は実行しました)。しょせん、どっちもどっちということです。
自民党が政権を担当していた時の話ですが、平成11年から平成15年の物価の下落率に対して年金額を減額しなければならなかったのに、物価スライドの特例をおこない一部を据え置きました。
このときの影響は今でも残っていて、年金額支給額の計算の時には現在の水準での計算と特例の水準での計算を見比べて高い方をとる「物価スライドの特例措置」という仕組みになっています。このおかげで、ただでさえややこしい年金の仕組みが余計ややこしくなっているといっていいでしょう。
自民党の政治家さんは今ならもうあんなことはしないよと、反省しているのでしょうかねえ。
ノンポリですから元々政治家になにも期待はしていませんが、そんな私でさえ今後日本はどうなるのだろうかとだんだん心配になっています。
私の事務所のホームページです。こちらもご覧ください。
社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー・DCプランナー 安部事務所(クリックしてください。)
公的・民間を問わず、「保険」、「年金」 と名のつくものについては、なんでもお気軽にお問い合わせください。
年金額、首相指示通らず結局引き下げ…財源難
記事は、
〉 政府は20日、2011年度の公的年金支給額について、0・3%程度を引き下げる方針を決定した。
〉 国民年金の受給者で平均月約160円の減額となる。同年金で満額(10年度で月6万6008円)を受給している人は月約200円、年約2400円減る。夫が厚生年金に加入した標準的な夫婦2人の世帯では月約700円、年約8400円下がる。
〉 11年4、5月分の年金を受給する6月支給分から適用となる。引き下げは小泉政権の06年度以来、5年ぶりだ。
〉 仙谷官房長官と細川厚生労働相、玄葉国家戦略相、野田財務相が20日、首相官邸で協議して結論を出し、菅首相も了承した。
〉 年金支給額をめぐっては、細川氏が引き下げ方針を一度は表明したが、首相は14日、細川氏を首相官邸に呼び出し、据え置きを含めた検討を関係閣僚で行うように指示した。背景には、来春の統一地方選を控え、引き下げは高齢者の反発を招きかねないとして、政府・民主党内で警戒感が強まっていたことがある。
〉 しかし、据え置きを行うには新たに約300億円の財源を確保しなければならず、関連法案を「ねじれ国会」で成立させる必要もあることから、首相は最終的に実現は困難と判断した。
とあります。
据え置きにせず、引き下げをおこなうことは評価すべきでしょうが、その理由がいつもの財源不足と国会対策というところがなんともしまりのない話です。
そもそも据え置きたいという理由が来春の統一地方選で高齢者の票を失いたくないからというセコイ話ですからねえ、まったくあきれる他にはありませんよ。
まあ、最近の世論調査を見ると今さら民主党がなにかしたところで、もう手遅れのような気がしますが。
アンチ民主党の人にとっては「それ見たことか」という話でしょうが、自民党も以前に同じことをしていますよ(民主党は未遂でしたが、自民党は実行しました)。しょせん、どっちもどっちということです。
自民党が政権を担当していた時の話ですが、平成11年から平成15年の物価の下落率に対して年金額を減額しなければならなかったのに、物価スライドの特例をおこない一部を据え置きました。
このときの影響は今でも残っていて、年金額支給額の計算の時には現在の水準での計算と特例の水準での計算を見比べて高い方をとる「物価スライドの特例措置」という仕組みになっています。このおかげで、ただでさえややこしい年金の仕組みが余計ややこしくなっているといっていいでしょう。
自民党の政治家さんは今ならもうあんなことはしないよと、反省しているのでしょうかねえ。
ノンポリですから元々政治家になにも期待はしていませんが、そんな私でさえ今後日本はどうなるのだろうかとだんだん心配になっています。
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2010-12-21 20:15
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来年度から年金支給額が0.3%引き下げられるとのことですが、2点ほどお聞きしたいことがあります。
1) 「物価スライド」の「物価」とは、生鮮食品を含む全国消 費者物価指数、いわゆる総合指数ですか?
2) 昨日(12月28日)の発表で、今年11月の総合指数は 99.9でした。平成17年の物価水準に対し、0.1% マイナスということであれば、年金支給の引き下げ幅は 0.1%が妥当だと思いますが?
by jean-claude (2010-12-28 20:27)
jean-claudeさん、こんにちは。
「物価」そのものについては詳しくないもので自信は無いのですが、
1)については、食料品やエネルギーを除くという補足説明を見たことがありませんので、総合指数だと思います。
2)については、12月28日に発表されたのは11月分の消費者物価指数で、年度の指数は別にあり(各月の指数を加重平均するのだと思います)、そこから0.3%という数字が出てきたのだと思います。
まったく頼りないお答えになってしまいましたが、ご容赦ください。
by heroherosr (2010-12-29 11:25)