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育児休業給付金の給付要件である就業日数を緩和へ [社労士]

自民党が、育児休業給付金の給付要件である1ヶ月の就業日数10日以下である条件を緩和する方針を固めたというニュースがありました。

ルール緩めます 育休中の在宅勤務 自民、参院選公約の目玉に (産経新聞) - Yahoo!ニュース

記事は、

〉 職場以外の場所で働く「テレワーク」に関し、自民党が、育児休業中の在宅勤務の規制を緩和する方針を固めたことが5日、わかった。育休中の収入確保やスムーズな職場復帰を図ることで、育休取得への環境整備を図る狙い。安倍晋三首相が掲げる「育休3年」実現に向けた具体策で、自民党は参院選公約の目玉として明記する方針だ。

〉 育休は休業取得開始前の2年間に、一定の勤務実績などを満たせば取得でき、さらに雇用保険に加入していれば育休前の給料の50%相当の育児休業給付金を受け取ることができる。

〉 ただ、育休給付金は月に20日間以上「休業」していないと支給されない。雇用保険法施行規則では1カ月の就業日数は「10日以下」と定められている。これは法律が「育休中に仕事をするくらいなら、早く職場復帰すべきだ」との前提に立っているためだ。

〉 この規制に従うと、育休中でも、在宅であれば1日数時間程度、月に11日以上の在宅勤務が可能な人であっても、働き過ぎれば育休給付金をもらえなくなる。現行制度では、1日1時間の仕事でも、法律上は「1日」に換算されてしまうという仕組みもある。

〉 しかし、近年は事務作業のIT化で、在宅での勤務が可能な職種、職場が大幅に増加。育休中でも、1日数時間の在宅勤務をこなすことは難しくない。

〉 自民党は、これら規制が育休中のテレワーク普及を妨げている原因と分析。「就業10日以下」の規定を時間単位に変更するなど規制の見直しを進めており、「子育てしながらでも、働き続けられる」環境を整備したい考えだ。

〉 仮に、規定を「月80時間以下」に見直せば、1日当たり4時間の在宅勤務を週5日間、月20日間行っても育休給付金を受け取ることが可能だ。

〉 雇用側にとっても、有能な社員に仕事を継続してもらえることで利益に結びつけられるほか、社員側も仕事の感覚を維持でき、職場への復帰が容易になるという利点がある。

とあります。

記事には育児休業が開始前の2年間に一定の勤務実績などを満たせば取得できると書かれていますが、これは間違いで休業を取ることができないのは、

○ 入社1年未満

○ 休業の申出の日から1年以内に雇用関係が終了することが明らか

○ 1週間の所定労働日数が2日以下

のいずれかで、労使協定で育児休業をできないことを定めれば対象から除外することができます。

もっとも、続く雇用保険に加入していれば育休前の給料の50%相当の育児休業給付金を受け取ることができるという所は間違いなく、2年間(場合によっては4年間)の間に1ヶ月に賃金を支払われた日数が11日以上ある月が通算して12月以上あれば取得することができます。

この条件が記事にある「一定の勤務実績」で、どうも育児・介護休業法と雇用保険がごっちゃになってしまったようですね。

育児休業給付金の給付要件である休業期間中の就業日数は月に10日以下ですが、その理由ははたして記事に書かれている「育休中に仕事をするくらいなら、早く職場復帰すべきだ」との前提に立っているからなのでしょうか。

私としては、早く職場復帰すべきだとの前提よりも、50%相当の育児休業給付金に11日分以上の賃金をプラスしてしまうと休業前の月収を越えてしまうようになるからダメなんじゃないかと思うのですがどうなんですかね。

それに上にも書いたとおり、月に11日以上働いては雇用保険の被保険者期間になり、「一定の勤務実績」ともなってしまいますかね。

1日8時間で10日なら80時間ですから、規制を緩和しても問題はないのではと思います。

ただ、育児休業を3歳になるまでを実現するためにはこれだけではなく、先月のこの件についてのブログにも書いたのですが、子供が1歳6ヶ月になるまでしか払われない育児休業給付金をどうにかしないとならないでしょうね。

もっとも、これも先月のこの件についてのブログのコメント欄に書いたのですが、私は育児休業を3年間取れる仕組みを作るよりも、仕事を休まなくても子どもを育てられる環境を作るべきだと思いますよ。

じっくりと子育てをしたいという親御さんの希望は尊重すべきで、育児休業を全否定するつもりはありませんが、少子高齢化が進み働き手がどんどん減っていくのですから、母親であっても働きやすい仕組みを整えていかなければこの国は立ち行かなくなります。

まして、「3年育休」が保育園の待機児童問題の解消を図ろうというもののようですから、そんな目先のことしか見ていない方針ははたしてどうなんだろうと思います。

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コメント 4

hanamura

ウチの配偶者様も、お母さんも、子育てして働いてます。(ました。)
何が違うのかなぁ?よく考えてる前に、なんとかしないと!
by hanamura (2013-05-09 09:30) 

don

日本にはいろんなリスクがありますが、
「人口衰弱」。少子化問題は最大のものかもしれません。
人間で言えば、健康を害するようなものですからね。

体あっての物種。十分に、厚すぎるぐらいの対策が必要
だと思います。
by don (2013-05-09 23:46) 

heroherosr

hanamuraさん、こんにちは。
育児休業を取るのが悪いということはありませんが、働きたい人は働ける仕組みを作らなきゃ、ですよね。
by heroherosr (2013-05-10 17:33) 

heroherosr

donさん、こんにちは。
少子化問題は深刻ですよね。
だからといって安易に移民を進めたりすると後々大変なことになりそうですから、できるならばやりくりしてなんとかしたいものです。
by heroherosr (2013-05-10 17:35) 

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