NTT、企業年金の減額認められず [社労士]
経営の悪化を理由とする退職者らへの企業年金減額をめぐる訴訟で、NTTの最高裁での敗訴が確定したとのニュースがありました。ニュースはこちらです。
NTT敗訴確定 最高裁、企業年金減額認めず
記事は、
〉 NTTのグループ企業が、経営悪化を理由とする退職者らへの企業年金減額を認めないのは不当として、国に処分取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は、NTT側の上告を退ける決定をした。NTT側敗訴の1、2審判決が確定した。決定は8日付。
〉 年金減額の要件を厳格化した司法判断が確定するのは初めて。多くの従業員を抱えるマンモス企業の敗訴確定は同種訴訟に影響を与えそうだ。
〉 1審東京地裁は「減額が許されるのは、経営が悪化するだけでなく、経営悪化で年金が廃止される事態が迫った場合」と指摘、「減額がやむを得ないほど経営が悪化したとは認められない」として請求を棄却。2審東京高裁も支持した。
〉 1、2審判決などによると、NTTグループは平成17年、企業年金の支給水準を固定型から国債利率に連動して支給額を決める確定給付企業年金にする規約変更を厚生労働省に申請したが、承認されなかった。
とあります。
これは本当に難しい問題です。会社から見れば、減額がやむを得ないほど経営が悪化したとは認められない限り減額が認められないとなると、最後の最後のどうしようもない状態にならない限り手が打てないということになりますから、傷口が小さいうちでの解決が難しくなるということですね。確かにNTTの経営がそこまで悪化しているとは思えません。JALぐらいまでならないとダメということですかね。
一方、OBの人たちから見れば、約束を反故にされて老後の生活設計の変更を余儀なくされるのですから、そう簡単に減額されたらとてもじゃないけど納得できないでしょう。
ニュースを読んだだけでは分からないのは、現役の従業員さんの将来に支払われる年金の額がどうなっているかということです。既に約束をしている既得権と違い、これからの約束である期待権はいじりやすいので先に手をつけて減額をしているのでしょうか。これはNTTに限った問題ではありませんが、現役社員の将来の年金額は減額されるが、OBが既にもらっている年金はアンタッチャブルということがどんどん明らかになると、今の《会社対OB》、という争いから、ゆくゆくは《現役対OB》、の争いへと代わっていくのではないかと少し心配してしまいます。
私の事務所のホームページです。こちらもご覧ください。
社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー・DCプランナー 安部事務所(クリックしてください。)
公的・民間を問わず、「保険」、「年金」 と名のつくものについては、なんでもお気軽にお問い合わせください。
NTT敗訴確定 最高裁、企業年金減額認めず
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〉 NTTのグループ企業が、経営悪化を理由とする退職者らへの企業年金減額を認めないのは不当として、国に処分取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は、NTT側の上告を退ける決定をした。NTT側敗訴の1、2審判決が確定した。決定は8日付。
〉 年金減額の要件を厳格化した司法判断が確定するのは初めて。多くの従業員を抱えるマンモス企業の敗訴確定は同種訴訟に影響を与えそうだ。
〉 1審東京地裁は「減額が許されるのは、経営が悪化するだけでなく、経営悪化で年金が廃止される事態が迫った場合」と指摘、「減額がやむを得ないほど経営が悪化したとは認められない」として請求を棄却。2審東京高裁も支持した。
〉 1、2審判決などによると、NTTグループは平成17年、企業年金の支給水準を固定型から国債利率に連動して支給額を決める確定給付企業年金にする規約変更を厚生労働省に申請したが、承認されなかった。
とあります。
これは本当に難しい問題です。会社から見れば、減額がやむを得ないほど経営が悪化したとは認められない限り減額が認められないとなると、最後の最後のどうしようもない状態にならない限り手が打てないということになりますから、傷口が小さいうちでの解決が難しくなるということですね。確かにNTTの経営がそこまで悪化しているとは思えません。JALぐらいまでならないとダメということですかね。
一方、OBの人たちから見れば、約束を反故にされて老後の生活設計の変更を余儀なくされるのですから、そう簡単に減額されたらとてもじゃないけど納得できないでしょう。
ニュースを読んだだけでは分からないのは、現役の従業員さんの将来に支払われる年金の額がどうなっているかということです。既に約束をしている既得権と違い、これからの約束である期待権はいじりやすいので先に手をつけて減額をしているのでしょうか。これはNTTに限った問題ではありませんが、現役社員の将来の年金額は減額されるが、OBが既にもらっている年金はアンタッチャブルということがどんどん明らかになると、今の《会社対OB》、という争いから、ゆくゆくは《現役対OB》、の争いへと代わっていくのではないかと少し心配してしまいます。
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