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JALが整理解雇へ(整理解雇の4要件) [社労士]

会社更生手続き中の日本航空が、整理解雇に踏み切る公算が大きくなったというニュースがありました。ニュースはこちらです。

JALが整理解雇へ…希望退職200人足りず

今日は、記事の引用は無しです。

今日、このニュースを取り上げたのは、別にJALに対してどうこう言いたいわけではなく、再来週に受ける特定社会保険労務士の試験に整理解雇についてが出るかもしれないので、自分の復習も兼ねて整理解雇とはなんぞや、について書きたいと思ったからです。

解雇とは、会社が社員に対して労働契約を解除することです。それに対して会社と社員が合意して労働契約を解除することや、労働契約の期間が満了すること、社員が会社に対して労働契約を解除することは、退職になります。

解雇をする理由が社員の能力不足、協調性の欠如、長期欠勤の場合には普通解雇、それよりももっと重い理由による制裁の場合には懲戒解雇になりますが、整理解雇は事業の縮小などの会社の経営上の理由による解雇で、社員に直接の責任のないものです。

日本では、社員が勝手に会社を辞めることに対しての制限はありませんが(やむを得ない理由がなければならないとか、解約の申入れからの一定の期間の労働義務は定められてはいます)、解雇に対しては合理的な理由がなく、社会通念上相当であると認められない場合には、その解雇は無効となります。

整理解雇に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められるためには、次の4つの条件を満たさなければなりません。いわゆる整理解雇の4要件(4要素)です。

(1) 経営上の人員削減の必要性があること
(2) 解雇回避努力を尽くしたこと
(3) 解雇対象者の人選に合理性があること
(4) 整理解雇手続が妥当であること

JALの場合はこれまでの経緯を見ると(1)の条件は満たしているでしょうし、記事にあるように希望退職を募っていますので(2)の条件も満たしているのでしょうか(希望退職を募っているからといって努力が足りないという判例もありますが)。となると今後の(3)、(4)の条件がどうなるかで整理解雇が有効か、無効かが決まるのでしょうね。

まあ、もっとも整理解雇が有効か、無効かが最終的に決着するためには、裁判を経なければならないわけですから、それまでの間はもめまくることになるのでしょう。

なにはともあれ、こうやってブログに書いたおかげで自分にとっても整理解雇の整理ができました。

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逆説の日本史13近世展開編を読んで [その他]

しばらく前に、井沢元彦さんの逆説の日本史13近世展開編が文庫化されたので読みました。逆説の日本史は、縦割りの史料絶対主義(簡単に言えば、史料に書かれている事は事実で、史料に書かれていなければ事実でないという考えです)の歴史観に対して、歴史を全体で見た上で、日本人が無意識に持つ「言霊」や「穢れ」、「怨霊」信仰が歴史に大きな影響を与えているという歴史観によって書かれた本です。

「言霊」や「穢れ」、「怨霊」信仰とは何ぞや、とか思うことについて書くと、とてもブログが長くなりそうなので今日は書きません。しかし、今を生きている私たちも確実に無意識なんでしょうけど、これらの信仰に影響を受けていますよ。特に「言霊」信仰に関しては、生命保険の仕事をしている私にとって、影響アリアリです。いつか、気が向いたら書くことがあるかもしれません。

これまでの歴史本は間違っていて、この逆説の日本史に書かれた歴史こそが正しいだなんて思うことはありませんが、これまで思ってもいなかったことが書かれていますので、目から鱗が落ちる思いをすることが多いです。

ただ、元々が週刊誌での連載ということでまとめて書かれていませんので、1冊の本としてまとめて読むとなると、井沢さんが嫌いな中国や左翼に対する批判に話が飛んでしまうことが多いのが鼻につきますね。まあ、私も別に別に中国も左翼も好きではないので、考え自体に異論があるということではないのですが、歴史の本として読んでいるのに脱線しすぎだろうということです。

13巻近世展開編で書かれているのは江戸時代初期についてですが、江戸時代は歴史全体で見るとつい最近のことであるため古代や中世に比べて「言霊」や「穢れ」、「怨霊」信仰が影響することが少ないためでしょうか、特に目から鱗の目新しい考えは書かれていなかったので残念でした。私自身が1巻を読んだ頃よりも歴史の雑学知識が増えているから、ということもあるせいかもしれないですが。

この逆説の日本史は決して難しい本ではなく大変読みやすい本ですので、歴史に興味のある方にはお勧めの本です。「言霊」や「穢れ」、「怨霊」信仰についても、いつ私が書くかもしれないブログを待つまでもなくたっぷり書かれています(しかも、私が書くかもしれないブログはこの本の受け売りによるものです)。でも、どうせ読むならば、1巻から読み進むとなおさら良いと思いますよ。

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社会保険労務士試験の合格発表 [社労士]

今日11月5日は、社会保険労務士試験の合格発表があったんですね。私もついさっき試験オフィシャルサイトを見てきました。

今年の合格率は8.6%で、去年が7.6%でしたから、去年よりも1%合格率が高かったんですね。まあ、毎年出題される問題が違うわけですから難易度も違うわけで、去年よりも今年が楽というわけではないんでしょうけど。

合格基準を見ると選択式が40点中の23点(57.5%)、択一式が70点中の48点(68.6%)で、私が試験を受けた約10年前よりも低いような気がします。これは私が受けたころに出題された問題よりも、今の問題の難易度の方が高いということなんでしょうね。オフィシャルサイトには今年の試験の問題も出てるのですが、私が今さら見たところでさっぱり分からないかもしれないので、検証はしませんよ。

なにはともあれ、合格された方には「おめでとうございます」、残念だった方には「気を落とさずに、来年に向けてがんばってください」と申し上げます。

なんて、他人事のように気楽に言っていますが、特定社会保険労務士の試験まであと20日あまりなので、私も気が気ではありません。(と言いながら、試験勉強もしていません)

今日も特別研修に行ってきましたが、会場がこれまでの渋谷でなく有明になりましたので、都下の住人にとっては遠くて大変でした。まあ、泊りがけで来ているかもしれない他県の方を思えば、そんなこと言ってはいけませんね。

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顧客サポートの劣化 [その他]

パソコンのセキュリティソフトが動いているはずなのに、Windowsセキュリティの緊急警告が出て、スパイウェアとその他のマルウェアの対策が最新でないと警告されてしまいました。セキュリティソフトを手動でアップデートをしても警告は消えませんが、セキュリティソフトの設定状況を見ても問題がありません。

これまでに2度ほど同じような経験(ファイヤウォールが無効など)をしていて、その度にセキュリティソフトをインストールし直してきたので、今回も同じことになるのだろうと思いながら、メーカーにチャットで問い合わせをしました。

かくかくしかじかであると状況を説明した結果得た回答は、やはり前2回と同様、セキュリティソフトの一部のモジュールが壊れているようなので、アンインストール後に再インストールして欲しいというものでした。しかし、前の2度の問い合わせではこの後アンインストールと再インストールの方法の書かれたメールを送るというアナウンスがあり、メールを受け取ったのですが、今回はインストールし直してください、と言われたところでチャットは修了してしまいました。

メールを貰わなければアンインストールと再インストールの仕方が分からない、ということはありませんので特に困りはしませんが、前2回は頼まなくても来たものが今回は来ないというのは、顧客サービスが劣化しているということでしょう。パソコンの初心者の方が同じ対応を受けたら、またアンインストールと再インストールの方法を聞かなければならなくなるかもしれませんし、まったくやさしさが感じられない対応です。

このメーカーには、シリアル更新のお知らせに3年分払いの振込用紙を入れていても1年分払いの振込み用紙を入れてこないところとか、セキュリティソフトのくせに新しいバージョンが出ると頼みもしないポップアップ広告がバンバン出てくるというところにイラッとさせられていましたが、セキュリティソフトなんてどこもそれほど変わらないだろうと10年近く使い続けてきました。

しかし、今回顧客サポートまで劣化していることを知って、このセキュリティソフトを使い続けていいのだろうかと思い始めました。今のシリアルの有効期限が来年の4月までですから、それまでは続けるでしょうが、その後は他所のセキュリティソフトに乗り換えようと思います。

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高額療養費、自己負担額見直しの新試算 [社労士]

先月の28日の記事ですからもう4日たってしまいましたが、厚生労働省が高額療養費制度の自己負担上限額を見直した場合の新たな試算を公表したというニュースがありました。ニュースはこちらです。

<高額療養費制度>自己負担上限額の見直しで新試算…厚労省

記事は、

〉 厚生労働省は27日、患者の医療費負担を軽減する国の高額療養費制度で、患者の自己負担上限額を見直した場合の新たな試算を、社会保障審議会医療保険部会で公表した。70歳未満の患者の自己負担上限額(月額)について、年収約300万円以下を現行のほぼ半分にする一方、年収約800万円以上で約3万円、約1000万円以上で約10万円それぞれ引き上げるなどした場合、必要な財源は約2200億円になると示した。

〉 新たな試算は、加入者数が最も多い70歳未満の「一般所得者」のうち年収300万円以下の低所得層で上限額を4万4400円、支給4回目から3万5400円にする一方、年収約800万円以上の所得者は上限額を約18万円、支給4回目から10万円に引き上げると仮定した。さらに、年収1000万円以上の所得者は上限額を約25万円、支給4回目から14万円に引き上げると、前回試算から約360億円少ない約2200億円が新たな財源として必要になるとした。この日の部会で委員からは、所得に応じて上限額が異なる区分を増やすことに賛成する一方、保険者の厳しい財政状況から全額を国費でまかなうべきだとの意見などがあった。【河内敏康】

現行の「低所得者」、「一般所得者」、「上位所得者」の3段階の区分から、「低所得者」、「一般所得者の低」、「一般所得者」、「上位所得者」、「上位所得者の上」の5段階の区分にしようという試算ですね。

将来、この新試算の5段階の区分分けのとおりになると決まったわけではありませんが、もしこのとおりにしようとしても財源が不足しているとなると、「一般所得者」の自己負担額が現行の8万100円+アルファのままですむわけにはいかず、引き上げがおこなわれると思いますよ。まあ、あくまでもこれは私の予想ですけどね。

今日のブログは、健康保険がらみの話ということで社労士カテゴリーにしましたが、高額療養費の見直しは生命保険(医療保険)の考え方にも影響があります。

「高額療養費の制度があるから民間の医療保険に入る必要がない」、という意見がありますが(私はこの意見に否定も肯定もしませんが、どちらかと言うと否定的です)、こうやって自己負担額の見直しがあっても意見を言い続けることができるだろうか、ということです。

確かに今のようなペースの引き上げであれば(自己負担額の引上げは今になって始ったわけではなく、徐々に上がってきています)、傷病手当金のあるサラリーマンの人などは、医療保険に必ずしも入る必要はないと思いますが、先のことは誰にも分からないですからね。

安易に評論家やFPの意見を鵜呑みにせずに(もちろん保険屋の意見を鵜呑みにしてもいけません)、自分自身でしっかり考えた上で入る、入らないを決めるといいとしか言いようのない問題ですね。

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