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年金制度はどうなるのでしょうか [社労士]

年末・年始のお休み期間中はどうでもいい話をブログに書き続けていましたが、いつまでもお休み気分でいるわけにもいきませんので今日からは真面目な話も開始します。で、2011年の真面目な話のスタートは、民主党がマニフェストに盛り込んだ新年金制度案を棚上げする動きが強まっているというニュースの紹介からです。ニュースはこちらです。

<年金制度>政府、公約棚上げの動き 野党と隔たり大きく

記事は、

〉 政府内で、民主党が09年衆院選マニフェスト(政権公約)に盛り込んだ新年金制度案を棚上げする動きが強まっている。自民、公明など野党各党の主張と隔たりが大きすぎ、協議の糸口がつかめないためだ。菅直人首相は6月をめどに社会保障と税制の一体改革の方向性を示す意向だが、野党側の理解を得るためには年金改革で折り合いを付けることが絶対条件になる。公約にこだわらない姿勢を示すことで、野党側を協議に引き込みたい考えだ。

〉 細川律夫厚生労働相は5日の会見で「(年金制度は)民主党のマニフェストにこだわると協議そのものが難しいのではないか。マニフェストを前提とせずに話し合いを始めたらいい」と述べ、社会保障改革のうち年金制度については野党側との協議入りを優先させるべきだとの考えを示した。

〉 社会保障と税制の一体改革に関し、野党側は政府案の提示を要求している。仙谷由人官房長官は同日の会見で「(与野党で)右と左に割れる状況ではない。政府案を作ることにやぶさかではない」と述べ、社会保障政策で与野党間の差は小さいとの認識を示した。

〉 だが、社会保障制度の中で年金制度は両者の違いが際立っている。民主党案は(1)職業で三つに分かれている現行制度を一元化(2)消費税を財源とする「最低保障年金」を創設--が柱。一方、自民、公明両党は現行制度の修正を基本としている。

〉 協議入りのために政府・民主党側は譲歩を求められるが、年金制度は目玉公約だけに「撤回」はハードルが高すぎる。そこで、厚労省が4月中にまとめる社会保障改革案では、民主党案に必要な財源規模を示す一方、詳細な制度設計には立ち入らず、野党側との協議の余地を残す方針だ。【鈴木直】

とあります。

私は、今の年金制度のままでいいとは思っていませんが、かと言って民主党の改革案もどうなんだろうと思いますので結果的には歓迎すべきニュースのように思います。

三年金の一元化も消費税による最低保証年金も最終的には導入すべきでしょうが、拙速な移行は避けるべきでしょう。民主党案に限らず一挙に変えてしまおうという案を取り入れた場合には、これまで保険料を払ってこなかった人の扱いをどうするかという問題が必ず出てきます。

支給額に差をつけるなどをしたとしても、年金制度が変わったのだからこれまで保険料を払わなかった人にも今後は年金が支払われますなんてことをしたら、まったく正直者が馬鹿を見てしまう救われない改革にしかならないでしょう。もしこんなことをしたら、倫理や道徳観は完全に崩壊するとしか思えませんよ。

まあ、最低保証年金の導入のためには消費税の増税の議論が避けて通れませんので、今の民主党政権のへたれっぷりを見れば仮に野党対策の必要がなくてもマニフェストの実行なんてできるわけもありませんから、そんなに危惧する必要もないんでしょうね。

いずれにせよ、こういった議論は与党も野党もなく進めていくべきものでしょうから、良い方向に話が進むことに期待します。

このニュースは毎日新聞のものなのですが、産経新聞の記事では、

厚労相、年金改革はマニフェストにこだわらず

〉 ただ、細川厚労相が日本年金機構と国税庁を統合し、保険料と税を一体的に徴収する「歳入庁」の設置については「社会保障改革の中で検討していくことになる」と述べ、マニフェスト通りの実現を目指す考えを強調した。(一部、抜粋)

歳入庁に関しては元々旧社保庁の職員のだめだめっぷりに、それなら国税庁に保険料を徴収させろというのが原点だったと記憶しています。確かに統一すれば徴収コストの効率化ができるとは思いますが、そもそも利益が出なければ払わないですむ税金と、利益が出ようが出まいが給料を支払うのなら払わなくてはならない保険料を同じく見てよいものなのかという疑問があります。

歳入庁の設置に反対はしませんが、それよりも民主党の歳入庁に関するマニフェストにも書いてある納税者番号(社会保障番号)制度の導入の方が先だろうよ、と思います。

とまあ、ここまでくどくどと書いてきましたが、要は次の衆院選でまた政権交代があるのかもしれないんだからもう民主党には余計なことをしてしてくれるな、ということです。

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