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定年延長と年金支給年齢の引き上げ [社労士]

与謝野経済財政担当相が、定年の延長と年金支給年齢の引き上げを考えなければならないと発言をしたというニュースがありました。ニュースはこちらです。

<与謝野経財相>「年金支給年齢引き上げも検討」と発言

記事は、

〉 与謝野馨経済財政担当相は21日、政府の新成長戦略実現会議で、「人生90年を前提にすると定年延長を考えないといけない。年金支給年齢の引き上げも考えなければいけない」と発言した。与謝野氏は6月までに政府案の策定を目指す「税と社会保障の一体改革」を担当しており、波紋を呼びそうだ。

〉 与謝野氏の発言は、経済成長を後押しするために高齢者の労働力を活用すべきだとの考えだが、一方で支給開始年齢を引き上げることで年金財政を改善させ、社会保障の財源に必要な消費税率の引き上げ幅を抑制する狙いがあるとみられる。

〉 現在、国民年金の支給開始年齢は65歳。厚生年金は段階的に支給開始年齢が引き上げられており、基礎年金部分で男性は13年度、女性は18年度から65歳からの支給となる。与謝野氏は会議後、「支給開始年齢の延長検討は、中長期の日本のビジョンとして述べたもので、一体改革で検討する旨を述べたものでは全くない」とのコメントを発表した。【谷川貴史、高橋昌紀】

とあります。

与謝野さんのこのタイミングでの発言ですから、反発する声も出てくるんでしょうね。でも、人生90年を前提にすることが妥当かどうかは別にして、定年の延長も年金支給年齢の引上げもいずれは避けようがないことだと思います。

少子高齢化が進むのですから、年寄りも働かなければ社会は成り立ちませんし、年金支給年齢の引上げは年金財政の手っ取り早く効果的な改善策でしょう。

しかし、ただでさえ若い人が希望する雇用に就けない(雇用がないわけではありません)ときに定年延長なんてことになったら、その分若い人の就職口が減ることになりますし、年金に対しての不信感がこれっぽちも改善されていない中で支給年齢を引き上げますとなっても、納得できるわけもないでしょう。

では、年金の支給年齢の引上げはどのようになるのか予想してみます。定年の延長も年金の支給年齢の引上げにリンクするように延長するとなるでしょう。

年金の支給年齢を引上げるにしても、いきなり引上げて来年65歳になるのにもらえなくなったなんて極端なことはしないで、経過的に段々と引上げていきます。これがあるから年金の仕組みが複雑になってしまうんですけどね。

記事にも書かれている通りに国民年金の支給開始年齢は65歳で、厚生年金はかつては60歳から特別に支給されていましたが65歳支給に段階的に引上げられている最中です。

記事に書かれている基礎年金の部分が国民年金のことで(厳密に言えば違いますが)、厚生年金の部分がこの上にのる2階建ての形になります。今は1階の部分が段階的に引上げられていて、男性は13年度(昭和24年4月2日以降の生まれのことで、これからは年しか書きませんが皆4月2日以降の生まれということです)、女性は18年度(昭和29年生まれ)からは65歳からの支給となります。

ここから4年間据え置きますので昭和28年以前の生まれの男性、昭和33年以前の生まれの女性であれば、1階の部分(基礎年金)は段階的に引上げられはしたものの2階の部分(厚生年金)は60歳から支給されますが、次は2階の部分が段階的に1歳刻みで引上げられます。昭和28年から36年生まれの男性と、昭和33年から41年生まれの女性です。

かくして昭和36年4月2日以降生まれの男性と、昭和41年4月2日以降生まれの女性は、65歳になって初めて国民年金も厚生年金ももらえるようにと変わります。簡潔に書いたつもりですがややこしいですね。

この上に年金支給年齢を引上げるとなると、厚生年金は65歳から支給するけれども国民年金は段階的に引き下げるとなるのでしょう。本当は70歳に引上げたいのでしょうが、反発が大きいので68歳ぐらいになるのではと思います。時間はたっぷりあるので、途中で70歳に引上げるかもしれませんね。

対象は、男性は昭和36年から4年か8年経過後の昭和40年か44年以降生まれ、女性であれば同じく昭和45年か49年以降の生まれから段階的に引上げると予想しますが、はたしてどんなものでしょうか。

まあ、こんな予想が当たったところでちっともうれしくはないんですけどね。

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