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東日本大震災での死亡保険金の支払いを始める方向で検討 [生命保険]

生命保険会社各社が、東日本大震災の行方不明者の死亡保険金を月内にも支払いを始める方向で検討に入ったというニュースがありました。ニュースはこちらです。

死亡保険金、月内にも支払い=震災不明者親族に特例で―生保 (時事通信) - Yahoo!ニュース

記事は、

〉 大手生命保険各社は2日、東日本大震災の行方不明者の親族に対し、月内にも死亡保険金の支払いを始める方向で検討に入った。民法上、災害による不明者の死亡認定は最低でも1年かかるが、生活を立て直すために資金が必要な被災者も多いとみて、早期支払いに踏み切る。民間生保が災害でこうした特別措置をとるのは初めて。

〉 通常、行方不明者に死亡保険金を支払うには、民法上の失踪宣告を受けるなど、公的に死亡認定を受ける必要がある。失踪宣告は不明になってから7年以上かかる。災害時には短縮されるが、1年以上の期間が必要だ。

〉 一方、災害で死亡した人の遺族を対象とする自治体の弔慰金(最高500万円)は、行方不明の期間が3カ月に及んだ場合にも死亡したと推定して支払われている。生保各社は今回、自治体から弔慰金を受け取っていれば、公的な死亡認定に準じて取り扱い、死亡保険金を支払う方向で調整している。 

とあります。

民法では、失踪宣告をすることにより失踪者が死亡したものとして相続などの手続きを可能としています。

民法第三十条 (失踪宣告)

  不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。

2  戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後一年間明らかでないときも、前項と同様とする。

民法第三十一条 (失踪宣告の効力)

  前条第1項の規定により、失踪の宣告を受けたる者は、前条第1項の期間満了の時に死亡したるものと見做し、前条第2項の規定により、失踪の宣告を受けたる者は危難の去りたる時に死亡したるものと見做す。

民法では、上記のとおり災害から1年がたって失踪宣告を受けて死亡したと見なすことができるのですが、今回の震災では行方不明の期間が3ヶ月に及んだ場合に死亡したと推定して支払われている自治体の弔慰金を受け取っていれば、生命保険の死亡保険金が支払われるよう検討に入ったということです。

亡くなられた被災者の方が残される家族のために大切に掛けてこられた生命保険ですから、死亡保険金がご遺族の方に一刻でも速く支払われて、経済的な助けになって欲しいものですね。

なお、こちらは民間ではなく公的な保険の話になりますが、労災保険や国民年金などでは船か飛行機の事故によって行方不明となり生死が3ヶ月分からない場合には死亡したと推定するという特別規定があります。

船と飛行機の事故に限定する特別規定で、それ以外の行方不明の場合には民法が適用されるのですが、この特別規定を東日本大震災で行方不明になった方にも適用し、生死が3ヶ月分からない場合には死亡したと推定する規定が設けられましたので、ご遺族の方は遺族年金なども今月から受給できるようになります。

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