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AIJと社保庁の天下り [社労士]

「AIJ投資顧問」の年金消失問題で、全国の厚生年金基金に資産運用の経験が乏しいという旧社会保険庁OBが600人以上、天下りしているというニュースがありました。

ニュースはこちらです。

<AIJ問題>旧社保庁OBの天下り 被害拡大の一因か (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

記事は、

〉 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)の年金消失問題を機に、全国の厚生年金基金に旧社会保険庁(現日本年金機構)OBが05年時で600人以上、天下りしている実態が明るみに出た。多くはノンキャリアで、資産運用の経験は乏しいとされる。構造的な天下りが問題を拡大した一因ともみられ、OBの一人は毎日新聞の取材に「資産運用の経験は全くなく責任を感じる」と述べた。一方で、別のOBは「相手がうその説明をすれば誰が運用しても結果は同じ」と強調した。【町田徳丈、松本惇】

〉 AIJと取引があった甲信越地方の厚生年金基金に天下りした60代の社保庁OBは、10年前に社保庁の地方機関の人事担当者から打診され、2年前まで常務理事を務めた。後任は社保庁OBを自ら推薦した。

〉 07年から始めたAIJとの取引については「リスクを避ける分散投資」と説明。基金の運用方針を決める運用検討委員会にAIJの浅川和彦社長が自ら出席し、「自信にあふれた話しぶりが印象的だった」という。

〉 この厚生年金基金も損失を出したとされ、OBは「再就職の前に運用経験は全くなく、正直不安だった。天下りは見直すべきで、結果的に責任を感じる」と胸中を吐露した。

〉 販売業界でつくる厚生年金基金の60代の元常務理事は、社保庁の下部組織の出身。「ポストが引き継がれるのはこの10年や20年ではなく、もっと前からだ」と証言した。

〉 保険料の徴収や年金支払い業務を熟知したノンキャリアの職員を再就職先として基金に送り込む仕組みを「役所の常識」と解説。「50歳で役所を辞めて基金に行かないかと打診される人もいた」という。

〉 この基金はAIJへの委託はなかったが、運用知識は乏しいOBの天下りが問題を拡大させた側面があることに対しては「虚偽の説明をされたら誰がやっても同じ」と主張した。

〉 2年前まで製造業界の厚生年金基金の常務理事を務めた60代のOBは、運用損を抱えていた基金の収益を上げるためAIJへ委託。情報誌の人気ランキングで首位だったことがきっかけという。

〉 「天下りで運用経験がなくても、委託を決定するのは合議制。どういう知識があればよかったのか誰にも分からないはず」と釈明した。

とあります。

AIJ問題に関しては、この会社がでたらめな運用をして損失を出したという馬鹿な話だけであったらブログに書く気もなかったんですが、直接の責任がないとはいえ旧社保庁のOBの天下りが関係しているということでブログに書くことにしました。

そもそも天下りという言葉自体が役人が天で、民間は地だというまったく不愉快な言葉で、マスコミはくだらない言葉狩りをするならこれをなんとかしろよ、と思うのですが、それはそれでおいといて、天下りは決して好ましいものではないものの、それまでの経験や人脈が天下った先の役に立つというならなにもかも否定するべきでもない必要悪な面もあるでしょう。

ただ、今回は経験も人脈もない天下りですから役に立つはずもなく、しかも知識が乏しいが故にでたらめな会社に委託して大切な資産を失っているんですから、「知りませんでした、ごめんなさい」ではすまないでしょうね。

記事を読むと責任を感じているOBの方がいる一方で、「誰がやっても同じ」と主張するOBの方もいるようで、しかし居直る人って社会保険庁をめちゃくちゃにした上に、天下り先の厚生年金基金をめちゃくちゃにしても責任を感じないのでしょうから、逆にどれだけメンタリティが強いのだろうかと呆れてしまいます。

小宮山厚労相は、天下りの詳しい実態調査をおこなうプロジェクトチームのトップを年金局長から副大臣に交代するようですが、どちらがトップになっても「じゃあ、OBが弁償しなさい」というところまで責任を追及することはできないでしょうから、結局損失の穴は誰が埋めることになるのかが気になります。

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