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就業規則を信じてはいけない? [社労士]

Yahoo!ニュースに就業規則についての雑誌記事という社労士にとってど真ん中のものがありましたので、今日はそのご紹介です。

労働契約-就業規則を信じてはいけない (プレジデント) - Yahoo!ニュース

記事の引用はしませんが、転職が決まったのに前の会社の就業規則に「自己都合退職は予定日の1ヶ月以上前に申し出ること」と定められていたので、すぐに辞められずに困ったというケースに対して、民法の規定により就業規則にどう書かれていても、辞表を出して14日経てば辞められると書かれています。

そしてその理由として、就業規則は法律に違反せずに合理的なものでなければならないので、入社時に周知されたとしても、合理的でない決まりなら従わなくていいと解説しています。

その他、合理的でないので従う必要の決まりとして、「有給休暇の取得に上司の許可が必要」と「遅刻3回で欠勤1回とみなして賃金を控除する」の2つがあげられていました。

これら3つは、合理的であるか、ないか以前に、法令に反しているんですからダメで当然でしょうね。

ただ、法令に反している、合理的でない以前に、例えば退職前の1ヶ月に引継ぎをきちんと済ましてから辞めるのは一社会人として当たり前のことではとも思うので、「~騙されてはいけない」なんて書かれているのはずいぶんと煽った記事だなと思いました。

私としては、就業規則は社員が気持ちよく仕事をするための会社のルールだと思っていますので、就業規則が会社が社員を拘束するためのものというような考えには違和感を感じてしまいます。

合理的でないなら、「いつでも有給を取っちゃうよ」、「反省せずに遅刻を繰り返すよ」、となると会社も周りの社員も迷惑することになりそうですが、そういう場合にどうしたらいいでしょうか。

有給休暇の計画的付与を有効利用して自由に休める日数を減らす、遅刻をした時間分以上の賃金カットは認められないが減給の制裁として定めれば1日分の賃金をカットはダメでも、半日分の賃金カットはOK(それが合理的であるか、ないかはまた別ですが)といった合理的な対策があったりするのです。

就業規則は合理的でなければなりませんが、逆に合理的であれば個別の同意を得ずに適用されますので「私は知りません」というわけにはいかなくなりますしねえ。

とまあ、つい反論するようなことを書いてしまいましたが、別に社員側だけに問題があるわけでなく経営側にも問題がある人が多いのも事実ですからどっちもどっちですし、先ほど書いたように私にとっての就業規則は決して「会社VS社員」のためのものではなく、「気持ちよく仕事をするための会社のルール」ですよと思いながらいつも規則作りをしているのでした。

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