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解雇の金銭解決を再検討(ホワイトカラー・エグゼンプションも) [社労士]

政府が、解雇の金銭解決やホワイトカラー・エグゼンプションといった雇用規制の緩和を検討することが明らかになったというニュースがありました。

金銭解雇ルールを再検討=特区での実現目指し―政府 (時事通信) - Yahoo!ニュース

記事は、

〉 政府が、金銭の支払いによる解雇を認めるなどの雇用規制の緩和を検討することが26日、明らかになった。国家戦略特区ワーキンググループ(WG)が国家戦略特区の新たな検討課題に盛り込んだ。

〉 金銭で解雇を可能とするルールの導入は政府の規制改革会議が検討していたが、厚生労働省などが反対したことから、6月の答申では見送られた経緯がある。WGは、7月に行った有識者ヒアリングの結果を受けて、特区で地域を限定した上での導入を再検討することにした。一定の条件を満たした社員に法定労働時間の規制を適用しない「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入も議論する。

〉 新たな検討課題は約130項目に上り、WGは8月末をめどに10項目程度に絞り込んだ上で実現を目指す。

とあります。

日本全国ではなく、地域を限定した特区で雇用規制の緩和を検討するというのですね。

解雇の金銭解決ですが、記事に書かれているように金銭の支払いによる解雇を認めるというものと、解雇規制はこれまでの通りで緩和しないで、解雇のトラブルが争われたときにその解雇が不当だと判断された場合に原則として職場復帰となるけれども、それが難しくて現実的でない場合にじゃあ金銭を支払うことで解決をしましょうというものの2つがあるのですが、はたしてどちらが検討されたのでしょうか。

安倍首相はこれまで国会で前者の金銭解決は否定するけれども後者は否定していないという答弁をしているいきさつがあるのですけれども、ぐっと先に進んで?「お金を払って解雇」までいこうとするのでしょうか。

まあ、解雇は不当だけど職場復帰は無理だからお金で解決というものであっても、都合の良い解釈をすれば「お金を払って解雇」になりますし、解雇を金銭で解決できるといえば普通はそのまんま「お金を払って解雇」だと思いますよねえ、記事を読んだだけではどちらのルールなのか分かりませんです。

ホワイトカラー・エグゼンプションというのは、企画や研究職などを対象にして純粋に成果に応じて賃金を支払うことにより残業代などの支払義務をなくすという制度で、こちらもやっぱり経営側が導入を強く望んでいるけれども実現をしていないというものです。

私は仕事柄のせいもあり、解雇の金銭解決もホワイトカラー・エグゼンプションも本来の趣旨のとおりの導入であるならば反対しませんが、であっても選挙前には知らん顔しておとなしくしていたのに選挙に勝ったとたんにこんな動きが出てくるというのは、どうも姑息な気がしますよ。

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