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解雇、退職勧奨の実態 [社労士]

従業員50人以上の民間企業を対象とした解雇、退職勧奨、労働条件の変更に関するアンケートの結果についてのニュースがありました。

<退職勧奨>大企業の3割で実施 解雇規制実態は緩く? (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

記事は、

〉 大企業の3割が最近5年間で退職勧奨を実施しているほか、中小を含む企業の約2割が「仕事に必要な能力の欠如」などを理由にした普通解雇や、業績悪化などに伴う「整理解雇」に踏み切っている実態が、労働政策研究・研修機構の調査で明らかになった。政府の規制改革会議では「日本の解雇規制は厳しい」と指摘されているが、企業の労働問題に詳しい小川英郎弁護士は調査結果に「日本の解雇規制の実質は厳しいのではなく、緩やかだという現実を物語っている」と話している。

〉 調査は同機構が昨年10月に従業員50人以上の民間企業2万社にアンケートをし、5964社から回答を得た。「ここ5年間で退職勧奨を行ったか」の問いに「ある」は16.4%で、「ない」は82.4%。しかし従業員1000人以上の大企業に限ると「ある」が30.3%にほぼ倍増した。

〉 解雇を実施していないと回答した企業は77.9%で、普通解雇実施が16%、整理解雇実施が8.6%だった。普通解雇の理由は、本人の非行30.8%▽仕事に必要な能力の欠如28%▽職場規律を乱した24%など。整理解雇に伴う支援として、退職金の割り増し34.3%▽再就職あっせん24.3%などが挙げられたが「支援なし」も24.7%に上った。整理解雇には労働組合や労働者代表との協議が求められるが「協議をしなかった」が46.9%で、「協議した」は21%に過ぎなかった。

〉 また、受け入れなければ退職を余儀なくされると説明して労働条件を変更したと回答した企業は8.1%あり、変更したのは賃金(54.4%)、転勤、労働時間などだった。【東海林智】

とあります。

辞めさせられた人が争うことなく辞めたのなら、その解雇が正当なものか不当なものか分かりませんからね、解雇規制が緩やかだとは思いませんが、解雇規制が厳しいというのは建前でしょう。

ただ、何パーセントもあるから緩やかだとか、何パーセントしかないから厳しいというものではなく、1件1件を妥当なものであるか、ないかを判断しないと緩やかか厳しいかは分かりません。

まあ、整理解雇で労使協議をしなかったというのは「整理解雇の4要件」の1つの手続きの相当性を欠くもので、それが半数近くあるとなると無茶なものも多いんでしょうねえ。

こういう結果を見ると、解雇規制を緩和すると余計に解雇が増えると思われがちで、まあ、緩和される分の解雇が増えることは事実ですが、法令に反する解雇などはもうすでに入っていますので、違法解雇をなくすことと解雇規制の緩和は別問題でしょう。

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