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「日本軍と日本兵 米軍報告書は語る」を読んで [その他]

講談社現代新書の「日本軍と日本兵 米軍報告書は語る」という新書を読んだのですが、とても興味深かったので珍しくも読書感想ブログです。

本書は、米陸軍軍事情報部が出版した戦訓広報誌(Intelligence Bulletin)に書かれた記事を中心に、米英軍が観察、分析した日本兵の身体、食事、戦争観、生命観などについてと日本軍の戦い方について解説し、合わせて日本人が書いた関係する本、資料を参照しています。

敵の側から見た日本兵についてですが、日本陸軍といえば銃剣突撃から肉弾戦の白兵主義に強いイメージがありますが、米軍からみると日本兵の剣術は突き一辺倒であった上に体格でも大きな差があったので白兵戦となった場合でも日本兵の方が優位だとは受け止められていなかったのが意外でした。

また、戦い方についても「バンザイ突撃」で「玉砕」したというイメージがやっぱり強いのですが、戦争後半は上陸する米軍に対しての水際抵抗も安易な「玉砕」も止めて内陸の洞窟に立てこもるという戦法で抗戦し長期抵抗を目指していて、硫黄島の戦いだけが特別だったということではなかったようです。

まあ、撤退できなければ降伏することもできなのですから最終的には玉砕となる戦いもありますが。

これも延びきった補給線が縮小されて本土からの補給が可能になったからですが、補給を受けられて装備が十分であっても火力が違いますので戦車への対抗策が近接攻撃しかなく、文字通り「必死」の戦車に接近しての肉迫攻撃、あげくは穴から飛び出す人間地雷までしたというのは悲惨でしかありません。

交戦相手の戦訓分析で記事には誇張や偏見もあるのでしょうが、記事に書かれた日本軍の長所、短所には著者の方も指摘していますが現在の日本人にも通じるものがあります。

1943年11月号に書かれた記事では、「肉体的のは頑強で、準備された防御では死ぬまで戦い、特に戦友が近くにいたり地の利を得たりしているときには大胆かつ勇敢で、規律(特に射撃規律)は良好である」といった点を日本兵の個人的な長所としてあげる一方で、「予想していなかったことに直面するとパニックに陥る、戦闘の間常に決然としている訳でない、(個人の)射撃が下手、自分で物を考えず「自分で」となると何も考えられなくなる」といった点を短所としています、なにか身につまされますね。

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