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内定取消しを取り消し [社労士]

去年の11月に、テレビ局にアナウンサーとして入社予定だった女子大生が内定を取り消され、その理由が不当だと提訴したというニュースを紹介しましたが、東京地裁で和解が成立しアナウンサーとして採用することになったというニュースがありました。

日テレ内定取り消し訴訟 和解成立、アナウンサーで4月入社へ (産経新聞) - Yahoo!ニュース

11月のブログでも内定について書きましたが、もう一度内定についてご説明します。

内定があったとしても翌春に卒業して入社したときに労働契約が成立すると思われがちですが、採用内定の通知とこれに対しての承諾により労働契約は成立するものとされています。

ただし、内定時に成立する労働契約は就労開始日に雇入れることを約束するものであって、就労開始日までに採用内定通知書に記載された採用内定取消し事由が万が一発生した場合には解約件を行使することができ、一方取消し事由がなければ雇入れを約束するという特約の付いた労働契約とすることが一般的です。

卒業したなら雇入れるけど卒業できなかったら雇入れないとか、健康の異常が発生したり、必要な資格を取得できなければ解約件を行使するよということですね。

またここでただしなんですが、採用内定取消し事由を記載すれば解約件行使がなんでもかんでも無制限におこなえるわけでは当然になく、採用内定を取り消すことが客観的に合理的と認められ社会通念上相当と認められるときに限って解約件を行使することができます。

テレビ局は、銀座のクラブでの短期アルバイト経験を「傷が付いたアナウンサーを使える番組はない」、「アナウンサーには高度の清廉性が求められている」として内定を取り消したのですが、やっぱり採用内定を取り消すことが客観的に合理的と認められ社会通念上相当と認められないでしょということで内定取り消しを取り消したということですね、当たり前でしょう。

当たり前でしょと書きましたが、Yahoo!ニュースのコメント欄を見るとそうではないコメントがいっぱいあって、社会通念とはむずかしいものです。

しかし、なんでかんだでこの人は行動力があって心も強いですよね。

彼女に非はないのに今後も色眼鏡で見られたり、なにかあったらすごく叩かれるのかもしれませんが、心の強い人に憧れる豆腐メンタルの私は応援しますので頑張って欲しいです。

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