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この年金救済策はダメでしょう [社労士]

厚生労働省が、必要な届出をしなかったことによる年金の切り替え漏れに対して「これはダメだろう」としか思えない救済策を実施しているというニュースがありました。ニュースはこちらです。

年金切り替え漏れ、専業主婦で100万人超か (読売新聞) ‐ Yahoo!ニュース

記事は、

〉 厚生労働省は31日、夫が会社を辞めるなどしたのに、国民年金に切り替えなかった専業主婦が、全国で100万人以上に上る可能性があることを明らかにした。

〉 サラリーマン世帯の専業主婦は「第3号被保険者」とされ、自分で保険料を納めなくても老後に基礎年金を受け取れるが、その資格を失ったのに届け出なかった人は保険料が未納だったことになる。

〉 ただ、厚労省はこのケースについて、直近2年分だけ保険料を納めれば、それ以前の期間分についても基礎年金を支給することにしている。きちんと保険料を払った人が不公平感を抱きかねず、議論を呼びそうだ。

〉 第3号の制度は1986年に始まり、現在は1021万人いる。その分の保険料は厚生年金や共済年金の加入者全体で負担している。夫が退職したり、自分がパートなどで年収130万円以上になったりした場合、第3号の資格を失うため、市町村に届け出なければならない。だが、行政のPR不足などで知らない人が多く、切り替え漏れが生じている。こうしたケースでは、国民年金保険料(現行月1万5100円)を納めていないため、本来はその分の年金が減ったり、無年金になったりする。だが、厚労省は1月から、直近2年分だけしか保険料納付を求めず、それ以前は納めていたと見なす救済策を実施していた。

とあります。

救済策は必要ですがこれはダメでしょう。こんな正直者(届出をしなかった人が正直ではないということではありませんが)が損をするようなことをしたら、今までのものと別な年金に対する不信が生まれるでしょうよ。

カラ期間(支給される年金の額には対応しないけど保険料を支払っていたとみなす合算対象期間のことです。これによって原則25年の納付要件に足りないので無念金となる人が救済されるケースも出るでしょう)にするというなら納得できますが、保険料を払っていないのに年金が支払われるというのはおかしいです。だいたい、そのお金はどこから出るのでしょうか。

第3号被保険者の届出の特例(サラリーマンなどの奥さんが専業主婦の場合は、保険料を払わなくても第3号被保険者として加入している扱いになりますが、その奥さんがフルタイムで働き始めると第3号被保険者から外れてその後奥さんがまた専業主婦に戻ったときに第3号被保険者になる手続をしなかったために年金の記録がないというケースが多かったために、今回と同じように後から届出をしても2年以上さかのぼって保険料納付済期間に算入することでできることですが、第3号被保険者の場合は保険料を支払う必要がないので特に年金財政上の問題はありません。しかし、この補足説明ながーっ)と同じのりで始めたのかもしれませんが、長い補足説明に書いたように保険料を支払うか、支払わなくて良いかの違いがありますからねぇ。

しかし、別に年金に限った話ではありませんが、こうやって結果としてでも払うべきものを払わなかった者が勝ちですなんて世の中になるのなら、もはや日本は終わっているような気がします。

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コメント 2

ごまあいす

いろいろ思うところありますが、
コメントしたら長くなりそうです・・・ (;´Д`A ```
ただ一つ簡潔にいえるのは、
「この救済措置は、明らかにおかしい」 です。(`・ω・´)
なんか理不尽です・・・

by ごまあいす (2011-02-02 13:08) 

heroherosr

ごまあいすさん、こんばんは。
ですよねぇ。おかしいですよね。
なんかもう、怒るよりも悲しくなってきますよ。
by heroherosr (2011-02-02 22:20) 

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