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年金救済策で厚労省と総務省が対立 [社労士]

2月1日のブログで、年金の切り替え漏れの救済策に対して、これはダメでしょうと書きましたが、政府内でも救済策に対する異論が噴出しているというニュースがありました。ニュースはこちらです。

専業主婦の年金変更忘れ 救済策で対立 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

記事は、

〉 ■総務省、法律に反し不公平/厚労省、時効分支払い免除

〉 サラリーマンの夫が脱サラや失業した際、年金の変更届を出し忘れた専業主婦に対する厚生労働省の救済策をめぐり、政府内で異論が噴出している。総務省の年金業務監視委員会は2年以上前の未納保険料の支払いを免除するのは容認できないとして、総務相に閣内で是正勧告を行うよう求める意見書を提出する方向で検討に入った。政府内の足並みの乱れは国会でも追及を受けそうだ。

〉 専業主婦は夫がサラリーマンや公務員であれば、国民年金の第3号被保険者となり保険料を支払わなくてもよい。配偶者の転職や死亡、離婚などの場合は、保険料の支払いが必要な第1号被保険者への変更を本人が届け出る必要がある。

〉 ところが、年金記録の回復作業で、届け出を忘れ本来支払うべき保険料を支払っていない事例が「100万人以上にのぼる可能性がある」(厚労省)ことが発覚した。過去にさかのぼって厳格に記録を訂正すれば、受け取る年金の減額や無年金となるケースが発生する。

〉 厚労省は長妻昭前厚労相時代に支払いの時効が来ていない過去2年分の保険料に関しては、支払うよう請求する方針を決定。今年1月から救済措置を実施し、1月30日現在ですでに2331人が適用を受けた。

〉 だが、これではまじめに保険料を支払ってきた人との間で不公平が生じる。16日の監視委では郷原信郎委員長が「そういうやり方を1回やったらモラルが保てない」と批判。同席した総務省の内山晃政務官も「組織ぐるみで不手際を隠すような形に思えてならない。法律違反だ」と厚労省側に見直しを迫った。

〉 監視委は次回以降、厚労省の年金記録回復委員会の委員を招致して、救済措置を承認した経緯の聴取を求める方針だ。

〉 監視委の指摘は17日の回復委でも報告されたが、同委はすでに救済措置を了承した。厚労省側は「救済措置をとらなければ年金事務所に苦情が一気に寄せられ、大量のトラブルが発生するのは不可避だ」として、見直しを拒否している。双方の隔たりは大きく、対立解消は容易ではなさそうだ。

とあります。

前のブログにも書きましたが、救済策は必要ですがこの救済策ははダメでしょうよともう一度書きます。

これまでまじめに保険料を支払ってきた人が結果として損をするような救済策は、総務省の年金業務監視委員会の言う通りに、モラルが保てなくなり年金に対する不信感がより深くなるだけです。

厚生労働省側は救済策だなんてお題目を唱えていますが、救済よりも苦情が一気に寄せられて大量のトラブルが発生するのを恐れているんだという本音がいみじくも記事に書かれているじゃないですか。

道理に合わないことでも、わーわー大騒ぎになりそうだから通るなんて世の中はもう終わっているとしか思えません。

即刻にこんなバカなことは止めて、間違って支払われた年金は返してもらうべきでしょう。帰ってこなかった年金は、この件にかかわった役人と年金記録回復委員会の委員が責任をもって払うべきでしょうよ(年金記録回復委員会の中でひとりの方は最後まで今回の救済策に反対していたと別の記事で読みましたので、その方は除きます)。

私の事務所のホームページです。こちらもご覧ください。

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